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日本国憲法第37条(刑事被告人の権利)を分かりやすくする

記事内容最終更新日:2024年3月27日

日本国憲法第37条(刑事被告人の権利)を分かりやすくするために、条文を平易な文章に変換した後、自分なりの要約などをブログに書いてみようと思います。

憲法条文の中には、平易な文章に変換しなくても簡単に理解できるものもありますが、とりあえず、すべての条文を平易化しています。

憲法第37条は、刑事被告人の権利(公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利、証人審問権・証人喚問権、弁護人依頼権)について書かれています。

※1 記事内容に誤りがある場合などは、その都度、加筆・修正しますので、気がついた方はコメントやメールなどで教えて頂けると助かります。

※2 本来、条文の第1項の番号は省略されるのですが、分かりやすいように番号を付しています。また、条文を掲載する際は、項をアラビア数字、号を漢数字で表記します。

憲法第37条を平易化

まずは、憲法第37条の条文をそのまま掲載します。

第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

次に、憲法第37条の条文を平易化したものを掲載します。

第三十七条1 すべての刑事事件において、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問(詳しく問いただすこと)する機会を充分に与えられ、又、公費で自己(刑事被告人のこと)のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、どんな場合でも、資格を有する弁護人(弁護士)を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国で弁護人(国選弁護人)をつける。

憲法第37条の要約等

日本国憲法第37条(刑事被告人の権利)は、刑事被告人の権利(公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利等)について書かれています。憲法第37条を要約します。

  • 公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を保障
  • 証人審問権・証人喚問権を保障
  • 弁護人依頼権を保障

憲法第37条に書かれている条文内容はこんな感じです。

憲法第37条1項では、刑事被告人の権利として、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を保障しています。公平・迅速・公開の要件が満たされる必要があります。

憲法第37条1項に「公平な裁判所」とありますが、「公平な裁判」を直接保障した規定ではないので注意してください。ひっかけ問題にありそうですね。

憲法第37条1項の「公平な裁判所の裁判」とは、判例では、構成その他において偏ったり、不公平のおそれのない裁判所による裁判を意味するとしています。

憲法第37条1項の「迅速な」裁判とは、適正な裁判を確保するために必要な期間を超えて、不当に遅延した裁判ではない裁判のことをいいます。迅速な裁判を受ける権利も被告人の権利として保障しているんですね。

憲法第37条1項の「公開裁判」とは、裁判の対審及び判決が公開の法廷で行われる裁判のことをいいます。

憲法第37条2項では、刑事被告人の権利として、証人審問権・証人喚問権を保障しています。さらに、証人を強制的にでも裁判所に呼ぶことができるとし、その際にかかった費用は公費で負担するとしています。

憲法第37条3項では、刑事被告人の権利として、弁護人依頼権や国選弁護人に対する権利を保障しています。

判例では、憲法第37条3項の弁護人依頼権は被告人自らが行使すべきもので、裁判所や検察官等は、被告人が権利(弁護人依頼権)を行使する機会を与えて、その行使を妨げなければ良いとされています。あと、憲法は弁護人依頼権があることを被告人に告げる義務を裁判所に負わせているものではないとされています。

憲法第37条3項にある国選弁護人を付してもらう権利については、被告人自らがそれを行使しようとする場合にのみ保障すれば良いとされていて、刑事訴訟法第36条の「被告人からの請求より、被告人のための国選弁護人を附す」としているのは合憲としています。

憲法第37条3項にある国選弁護人依頼権の存在を被告人に告知することは憲法上の要請ではないとしており、告知の義務に関しては、刑事訴訟法の第77条、272条で規定しています。あと、これは私も勘違いしていたのですが、国選弁護人の費用はすべて国が負担するとは限らないということです。知らなかった。

憲法平易化・要約の関連リンク

日本国憲法第37条(刑事被告人の権利)を平易な文章に変換した後、間違いやすい箇所なども記載して要約してみました。今後、憲法37条に関することは、この記事に追記していくので更新日が新しくなっていたら、追記内容を確認して頂けると嬉しいです。

自分自身の復習のために条文の平易化作業をしているだけですが、この憲法の条文の平易化作業が、司法書士試験や行政書士試験、公務員試験などの憲法が試験科目となっている独学受験生にとって少しでも助けになれば幸いです。自宅で学習する際の暇つぶしにでも読んでください。それではまた。

最後に日本国憲法を平易化・要約した関連記事のリンクを貼っておきますので、併せて読んで頂けると嬉しいです。

▶日本国憲法第38条(自白強要の禁止と自白の証拠能力の限界)を「日本国憲法第38条(自白強要の禁止と自白の証拠能力の限界)を分かりやすくする」で平易化・要約しています。

▶日本国憲法第36条(拷問及び残虐な刑罰の禁止)を「日本国憲法第36条(拷問及び残虐な刑罰の禁止)を分かりやすくする」で平易化・要約しています。