独学はひとりごつように

独学で国家資格試験合格を目指す兼業FXトレーダーのブログ

日本国憲法第35条(侵入、捜索及び押収の制約)を分かりやすくする

記事内容最終更新日:2024年3月11日

日本国憲法第35条(侵入、捜索及び押収の制約)を分かりやすくするために、条文を平易な文章に変換した後、自分なりの要約などをブログに書いてみようと思います。

憲法条文の中には、平易な文章に変換しなくても簡単に理解できるものもありますが、とりあえず、すべての条文を平易化しています。

憲法第35条では、個人のプライバシー保護の観点から、捜査機関による侵入、捜索及び押収について、令状主義が規定されています。また、住居の不可侵も保障しています。

※1 記事内容に誤りがある場合などは、その都度、加筆・修正しますので、気がついた方はコメントやメールなどで教えて頂けると助かります。

※2 本来、条文の第1項の番号は省略されるのですが、分かりやすいように番号を付しています。また、条文を掲載する際は、項をアラビア数字、号を漢数字で表記します。

憲法第35条を平易化

まずは、憲法第35条の条文をそのまま掲載します。

第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

次に、憲法第35条の条文を平易化したものを掲載します。

第三十五条 誰も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合(令状逮捕や現行犯逮捕)を除いては、正当な理由に基いて発せられ、かつ、捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ侵されない。
2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲(裁判官)が発する各別の令状により行う。

憲法第35条の要約等

日本国憲法第35条(侵入、捜索及び押収の制約)は、捜査機関による侵入、捜索及び押収について令状主義が規定されていることが書かれています。憲法第35条を要約します。

  • 侵入、捜索及び押収の際は裁判官の発する令状が必要
  • 個別の捜索・押収ごとに発せられる令状が必要
  • 正当な理由については裁判所が判断

憲法第35条に書かれている条文内容はこんな感じです。

憲法第35条では、捜索・押収をする際に裁判官の発する令状を必要とすることで、司法的抑制、一般令状の禁止、被捜索者・被押収者の防御権の保障をしています。

また、プライバシー保護の観点からも、捜査機関による侵入、捜索及び押収について令状主義を規定しています。捜索や押収といった処分を捜査機関が恣意的に行わないように、裁判官が発する令状を必要とすることで、個人のプライバシーを保護し、さらに住居の不可侵を保障しています。

憲法第35条にある「第33条の場合」とは、逮捕する場合のことをいい、現行犯逮捕に限らず、令状逮捕の場合も含まれます。何故、33条の場合を除くかというと、逮捕に伴って侵入等がされる場合には、逮捕の時点で、すでに令状が出されてるので、侵入等についての令状は不要とされているためです。

憲法第35条1項の「正当な理由」については、捜査官ではなく裁判所が判断します。

憲法第35条2項にある「各別の令状」とは、個別の捜索・押収ごとにそれぞれ令状が発せられる必要があるということで、一本にまとめた令状は許されません。

捜索・押収を行う者(捜査官)は、原則として被捜索者・被押収者(捜索・押収される人)に令状を呈示し、立ち会いを認めなければならないとされています。

憲法第35条に規定されている令状主義は、犯罪捜査以外の行政警察行為としての所持品検査にも原則として適用されます。

「一般令状」とは、どこで何を捜索・押収するかを特定せず、いつでもどこでも自由に証拠を探して捜索・押収することを認める令状のことです。一般令状は、権限の濫用がされやすいので禁止されています。

憲法第35条に関して、行政書士試験ではここまで詳しく問われることはなかったと思いますが、いちおう定義などを書いておきました。

憲法平易化・要約の関連リンク

日本国憲法第35条(侵入、捜索及び押収の制約)を平易な文章に変換した後、間違いやすい箇所なども記載して要約してみました。今後、憲法35条に関することは、この記事に追記していくので更新日が新しくなっていたら、追記内容を確認して頂けると嬉しいです。

自分自身の復習のために条文の平易化作業をしているだけですが、この憲法の条文の平易化作業が、司法書士試験や行政書士試験、公務員試験などの憲法が試験科目となっている独学受験生にとって少しでも助けになれば幸いです。自宅で学習する際の暇つぶしにでも読んでください。それではまた。

最後に日本国憲法を平易化・要約した関連記事のリンクを貼っておきますので、併せて読んで頂けると嬉しいです。

▶日本国憲法第36条(拷問及び残虐な刑罰の禁止)を「日本国憲法第36条(拷問及び残虐な刑罰の禁止)を分かりやすくする」で平易化・要約しています。

▶日本国憲法第34条(抑留及び拘禁の制約)を「日本国憲法第34条(抑留及び拘禁の制約)を分かりやすくする」で平易化・要約しています。