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日本国憲法第28条(勤労者の団結権及び団体行動権)を分かりやすくする

記事内容更新日:2023年12月13日

日本国憲法第28条(勤労者の団結権及び団体行動権)を分かりやすくするために、条文を平易な文章に変換した後、自分なりの要約などをブログに書いてみようと思います。

憲法条文の中には、平易な文章に変換しなくても簡単に理解できるものもありますが、とりあえず、すべての条文を平易化しています。

憲法第28条では、使用者(経営者等)に対して、どうしても経済的に弱者となってしまう労働者のために、団結して交渉する権利を保障しています。これによって使用者と労働者の不平等をなくそうという趣旨です。このあたりを意識して読んでみてください。

※1 記事内容に誤りがある場合などは、その都度、加筆・修正しますので、気がついた方はコメントやメールなどで教えて頂けると助かります。

※2 本来、条文の第1項の番号は省略されるのですが、分かりやすいように番号を付しています。また、条文を掲載する際は、項をアラビア数字、号を漢数字で表記します。

憲法第28条を平易化

まずは、憲法第28条の条文をそのまま掲載します。

第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

次に、憲法第28条の条文を平易化したものを掲載します。

第二十八条 勤労者の団結する権利(組合をつくったりすること)及び団体交渉その他の団体行動(ストライキ等)をする権利は、これを保障する。

憲法第28条の要約等

日本国憲法第28条(勤労者の団結権及び団体行動権)は、労働者に団結して交渉する権利などを保障することについて書かれています。憲法第28条を要約します。

  • 労働基本権(団結権・団体交渉権・団体行動権)の保障

憲法第28条に書かれている条文内容はこんな感じです。条文のままです。

労働基本権は、団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)の3つからなります。これらの3つを労働三権といいます。ちなみに、労働基準法・労働組合法・労働関係調整法は「労働三法」と呼ばれています。

労働基本権は、労働者が争議行為をしたり、労働を放棄したりする自由が認められるという国家権力からの自由という側面があります。また、労働基本権には、正当な争議行為は民事責任が免除され、解雇などの理由とすることができないという、民事上の権利の側面もあります。

公務員も勤労者に含まれるので、労働基本権が保障されますが、職務の公共性の観点から一定の制約を受けます。警察職員・消防職員・自衛隊員・海上保安庁又は刑事施設に勤務する職員は労働三権のすべてが否定されています。

非現業(権力的な行政事務)の国家公務員・地方公務員は、団体交渉権が制限され、団体行動権(争議権)も否定されます。ただし、団結権については保障されています。

現業の国家公務員・地方公務員については団体行動権(争議権)は否定されていますが、団結権・団体交渉権は認められています。

職務の性質などにかかわりなく、一律に公務員の政治活動を規制することは合憲とされ、公務員の一律かつ全面的な争議行為の禁止規定も合憲とされています。

公務員は政治的な行為は制約されますが、処罰の対象となり得る政治的行為は、公務員としての職務遂行の政治的中立性を害するおそれが、実質的に認められるものに限られます。

団結権とは、労働条件の維持・改善のために使用者と対等の交渉ができる団体を結成したり、それに参加したりする権利を言います。この団結権は憲法第28条で保障されています。

憲法第28条で保障している団結権は、主に労働組合として団結することの保障です。そして、団結権には団体自体の自由の保障も含まれており、公権力や使用者(経営者等)が労働組合内部の問題に不当に介入することを禁止しています。

団体交渉権とは、労働者の団体がその代表を通じて労働条件について使用者と交渉する権利を言います。交渉の結果に締結された労働協約に反する労働契約は無効とされます。団体交渉権を保障することで、使用者と対等の立場で交渉することが可能になります。

団体行動権とは、労働者の団体が労働条件の実現を図るために団体行動(ストライキ等の争議行為)を行う権利を言います。団体行動権は、労使間の対等性を確保するために保障されたものです。

正当な争議行為は刑事責任を課されず、民事上の債務不履行や不法行為責任を免除されます。正当かどうかの判断については、目的・手段・態様等に着目して判断します。

政治ストとは、公の機関を相手に対して政治的主張・要求をする目的で行なわれるストライキのことをいいます。政治ストには純粋な政治ストライキと経済的政治ストライキがあり後者は合法とする説が有力です。

憲法平易化・要約の関連リンク

日本国憲法第28条(勤労者の団結権及び団体行動権)を平易な文章に変換した後、間違いやすい箇所なども記載して要約してみました。今後、憲法28条に関することは、この記事に追記していくので更新日が新しくなっていたら、追記内容を確認して頂けると嬉しいです。

自分自身の復習のために条文の平易化作業をしているだけですが、この憲法の条文の平易化作業が、司法書士試験や行政書士試験、公務員試験などの憲法が試験科目となっている独学受験生にとって少しでも助けになれば幸いです。自宅で学習する際の暇つぶしにでも読んでください。それではまた。

最後に日本国憲法を平易化・要約した関連記事のリンクを貼っておきますので、併せて読んで頂けると嬉しいです。

▶日本国憲法第29条(財産権)を「日本国憲法第29条(財産権)を分かりやすくする」で平易化・要約しています。

▶日本国憲法第27条(勤労の権利と義務、勤労条件の基準及び児童酷使の禁止)を「日本国憲法第27条(勤労の権利と義務、勤労条件の基準及び児童酷使の禁止)を分かりやすくする」で平易化・要約しています。