更新日:2023年5月18日
日本国憲法第20条(信教の自由)を分かりやすくするために、条文を平易な文章に変換した後、自分なりの要約などをブログに書いてみようと思います。
憲法条文の中には、平易な文章に変換しなくても簡単に理解できるものもありますが、とりあえず、すべての条文を平易化しています。
憲法第20条では、信仰の自由・宗教的行為の自由・宗教的結社の自由を保障しています。判例が多くある条文なので、判例を中心に勉強すると良いと思います。
※1 記事内容に誤りがある場合などは、その都度、加筆・修正しますので、気がついた方はコメントやメールなどで教えて頂けると助かります。
※2 本来、条文の第1項の番号は省略されるのですが、分かりやすいように番号を付しています。また、条文を掲載する際は、項をアラビア数字、号を漢数字で表記します。
憲法第20条を平易化
まずは、憲法第20条の条文をそのまま掲載します。
第二十条1 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
次に、憲法第20条の条文を平易化したものを掲載します。
第二十条1 どの宗教を信じるかの自由は、誰に対しても保障される。どのような宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 誰も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他どのような宗教的活動もしてはならない。
憲法第20条の要約等
日本国憲法第20条(信教の自由)では、信仰の自由・宗教的行為の自由・宗教的結社の自由について書かれています。憲法第20条を要約します。
- 何の宗教を信じるかは自由、信じないのも自由
- 宗教団体は国から特権を受けてはならない
- 宗教団体は政治上の権力を行使してはならない
- 誰も宗教上の行為などを強制されない
- 国等は特定の宗教を押しつけてはならない
- 国等は特定の宗教を政治利用してはならない
憲法第20条に書かれている条文内容はこんな感じです。条文を分解しただけですね笑。
信教の自由の内容として、信仰の自由(内心における信仰の自由)・宗教的行為の自由(祝典、儀式、行事、布教活動などの自由)・宗教的結社の自由(宗教法人の設立などの自由)の3つがあります。
信仰の自由(内心における信仰の自由)には、特定の宗教を信じたりする自由だけでなく、宗教を信じない自由も含まれています。同じように、宗教的行為の自由には宗教的行為に参加しない自由も保障されていますし、宗教的結社の自由には結社に加わらない自由も保障されています。
内心における信仰の自由は絶対的に保障されますが、宗教的行為の自由や宗教的結社の自由は、外部的行為を伴うものですから、他者の権利・利益や社会に具体的な害悪を及ぼす場合は、公共の福祉による制約(国家による規制)の対象となります。ただ、その規制は目的を達成するための最小限度にとどめるようにして、できるだけ信仰の自由を規制しないように配慮しています。
憲法第20条では、個人の信仰の自由を保障するだけでなく、国家と宗教を分離する政教分離原則も採用しています。ちなみに、政教分離とは政治と宗教は切り離さないといけないということ。これによって、国の非宗教性や宗教的中立性が保たれます。
判例では、政教分離原則の法的性質については制度的保障であるとされています。制度的保障とは、立法によってもその制度の本質的部分を侵害できないとして、制度それ自体を保障することで、政教分離原則の他に、憲法の中で制度的保障とされているものに、大学の自治、私有財産制度、地方自治制度があります。
冒頭にも書きましたが、憲法第20条についての判例がかなりあるので、それらの判例をひとつひとつ読んでいけば理解が深まると思うので、時間のある方は読んでみてくださいね。
憲法平易化・要約の関連リンク
日本国憲法第20条(信教の自由)を平易な文章に変換した後、間違いやすい箇所なども記載して要約してみました。今後、憲法20条に関することは、この記事に追記していくので更新日が新しくなっていたら、追記内容を確認して頂けると嬉しいです。
自分自身の復習のために条文の平易化作業をしているだけですが、この憲法の条文の平易化作業が、司法書士試験や行政書士試験、公務員試験などの憲法が試験科目となっている独学受験生にとって少しでも助けになれば幸いです。自宅で学習する際の暇つぶしにでも読んでください。それではまた。
最後に日本国憲法を平易化・要約した関連記事のリンクを貼っておきますので、併せて読んで頂けると嬉しいです。
▶日本国憲法第21条(集会、結社及び表現の自由と通信秘密の保護)を「日本国憲法第21条(集会、結社及び表現の自由と通信秘密の保護)を分かりやすくする」で平易化・要約しています。
▶日本国憲法第19条(思想及び良心の自由)を「日本国憲法第19条(思想及び良心の自由)を分かりやすくする」で平易化・要約しています。